青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第5章 寂しそう
うちは平均身長が他のチームに比べて俄然高い。
元々中学ではインサイドをしていた、という選手でも、陽泉に来てからポジションを変えた。なんて人も多くいる。
それを理由にしていいのかは分からないが、3Pの決定力がPGの福井ちゃんと同じ程度。
「そうか…では、明日以降の練習はOF強化を重視する」
「「「おっす」」」
雅子ちゃんは少しだけ考える仕草を見せてから、言った。
それに部員たちも応える。
「枝尾、メニューを作っておけ」
「えー…またですか?」
このまま解散!と言われるのを待っていると、雅子ちゃんは私の方に振り向いて言う。
これはよくあること。
大きな大会が終わった後のミーティングは、いつもこうだ。
こうなれば、暫くの間は私が練習メニューを組まなければならなくなる。
とてつもなく面倒臭いのだ。
「文句あんのか?」
「イイエ。何モアリマセン」
雅子ちゃんの愛刀の餌食になるのが嫌で、いつも引き受ける私が悪いんだけども。
「おー鈴佳。頑張れよー」
「撫でないでよ」
そのまま解散となり、部員たちがぞろぞろとミーティング室を出て行く中。
福井ちゃんは私の頭をガシガシと撫でながら言うので、私はその手を払いのける。