青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第21章 側にいて
涙が零れないように、グラウンドを横切っていると、校門付近に三人の大きな人影が見えた。
「……!!りゅ、劉ーーーっっ」
その中で見つけた大きな劉の背中。
私は悲鳴にも近い声で、劉の名前を叫んだ。
呼ばれた劉は立ち止まり、こちらに振り返る。
「行かないで…!行っちゃやだぁっっ」
最後の力を振り絞り、私は叫びながら劉の元まで走った。
「鈴佳?どーしたアル…?」
劉の目の前まで来た私は、膝に両手を置いて息を整える。
そんな私を劉は首を傾げて見ている。
数秒だけ息を整えると、私は劉の着ているコートを掴んで詰め寄った。
「側に居るって…言ったじゃん!!…私を…置いてかないでよ…!!」
「何言って…」
そして、私は劉のネクタイを引っ張り思いっきり背伸びをし。
何か言いかけた劉の唇に、自分のを押し当てた。