青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第20章 流れ星に
すると、劉はとんでもないことを口にした。
『飛び降りればいいアル』
……今、なんと?
飛び降りる…?
「む、無理に決まってんじゃん!何言ってんの!?」
私にここで死ね。と言うのか、鬼畜め。
そんなに今日走ってるアンタらを笑ってことが恨みがましいか。
それでも、飛び降りるなんて嫌に決まってる。
『大丈夫アル。夏にもやったアル』
夏。って言うのは、スタメン五人が馬鹿やって私を部屋から引きずり出したあの日のことだろう。
だが、あれは私自らが飛び降りたのではなく、劉が私を投げ捨てたのだ。
あの時は氷室がきちんと私をキャッチしてくれたから良かったものの、もし取り損ねていれば、私は今確実にこの世に居ないかバスケ部を辞めている。
『ワタシがちゃんとここに居るアル。だから下りてくるアル』
「……」
嫌だ。と言いたかった言葉は、声にならなかった。