• テキストサイズ

青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】

第19章 蓋をした




その通りだ。

いくら自分の気持ちに気づこうが、これまでの行いを顧みてみれば、非の打ちどころしかない。

そんな私を…劉が好いてくれるなんて思えない。


「鈴佳」


俯いてしまった私を氷室は呼ぶ。


「気づいてるのは自分の気持ちだけじゃないだろう?鈴佳は、劉の気持ちだって本当はずっと前から気づいてるはずだ」

「……」


夏に劉から言われた言葉。

『我愛你』。

他の言葉は全く分からなかったし、思い出すこともできなかったけど、これだけは印象に残ったこともあって、意味を調べた。

その言葉の意味を知った時。

私はどうしたらいいのか分からなかった。

でも劉は、私に分からないように。気づかれないように。と中国語で言ったのだろう。

そう思って、今日まで何も気づいてないフリをしてきた。


「気づいてないフリをするのは構わないけど。後々、自分の首を絞めることになることは理解しておくんだよ」

「……分かってるよ」


分かってるけど。

私にどうしろって言うワケ。

/ 463ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp