青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第19章 蓋をした
その通りだ。
いくら自分の気持ちに気づこうが、これまでの行いを顧みてみれば、非の打ちどころしかない。
そんな私を…劉が好いてくれるなんて思えない。
「鈴佳」
俯いてしまった私を氷室は呼ぶ。
「気づいてるのは自分の気持ちだけじゃないだろう?鈴佳は、劉の気持ちだって本当はずっと前から気づいてるはずだ」
「……」
夏に劉から言われた言葉。
『我愛你』。
他の言葉は全く分からなかったし、思い出すこともできなかったけど、これだけは印象に残ったこともあって、意味を調べた。
その言葉の意味を知った時。
私はどうしたらいいのか分からなかった。
でも劉は、私に分からないように。気づかれないように。と中国語で言ったのだろう。
そう思って、今日まで何も気づいてないフリをしてきた。
「気づいてないフリをするのは構わないけど。後々、自分の首を絞めることになることは理解しておくんだよ」
「……分かってるよ」
分かってるけど。
私にどうしろって言うワケ。