青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第17章 守る騎士
残り一分、72-66。
かろうじてこちらがリードしているが、ゾーンに入った火神が居る限りどう転ぶか分からない。
『誠凛、選手交代です』
そしてやってきた。
相当厄介な奴が。
「チィ…鉄平…!」
「何やら裏でやっているとは思ったが、やはり体力回復に努めていたか…」
「マジかよ…」
「まさか戻ってくるとはの」
紫原と睨み合う鉄平。
紫原は鉄平の膝のテーピングをチラリと見てから、その表情をさらに険しくする。
私だって同じだ。
あの独特の巻き方…藍川だ。
私はスッと立ち上がった。
「鉄平が戻ってきたからって何?勝つのは陽泉なんじゃないの?負けたら…承知しないよ」
目を細め私は言う。
それに応えるように全員が頷いて返した。
負けて堪るか…名もない、ペーペーの小娘なんかに!!