青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第16章 挨拶を。
私には桃井のような分析はできない…けど、踏んできた場数は私の方が上だ。
雅子ちゃんも満足げな顔をして、口を開いた。
「よって、後半。紫原の相手は木吉。そしてエースの火神の相手はお前だ、氷室」
「…有難い。望むところです」
「しっかりねー。俺、火神キライー、木吉もだけど。両方暑苦しい」
枝ちんもでしょ?と私の方に同意を求める紫原。
私はそれに「一々聞かなくても分かってんじゃないの?」と返した。
「いい?この試合…ただ勝つだけじゃ私の気が済まない。立ち上がれなくなるまで叩き潰すの。分かった?」
「あーぁ…相当嫌ってんな、誠凛」
「女王様の仰せアル」
「心配することはないよ、鈴佳。圧倒的強さで勝つのは俺たちだ」
「行くぞ」
雅子ちゃんの声で、私たちは控室を出る。
後半戦が始まる。