青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第16章 挨拶を。
だけど…そんなんでうちに勝てるとでも…?
こっちには、誰が居ると思ってんだよ…!!
「な!?」
「紫原ー!!何で…」
「終わりだ」
雅子ちゃんの静かなひと言に、クスッと私も笑った。
「勝手に決めんじゃねーよ!!」
「な!?」
「黒子!?」
紫原との押し合いで、火神は一瞬にしてそのボールをパス。
その先に居たのは黒子。
「(…黒子にパス?でも確か、アイツはパスだけでシュートは撃てないはずなんじゃ…)」
なのに。
なのに、何なんだよ…そのフォームは…!?
顔の横という低い打点で構えたそのフォーム。
見たことなんて、勿論あるワケがない。
紫原も咄嗟に跳んだ。
「そんなっ…これにも追いつくのかー!?」
追いついた紫原に安心を感じ、私が一瞬肩の力を抜いたその時だった。
「!?」
放たれたボールは一瞬消え、大きな紫原を通りすぎてリングに吸い込まれた。
「なっ…」
「消えた…?ボールが…!?」
ベンチの私も雅子ちゃんも驚きを隠せない。
それはベンチの私たちだけどころか、コート上の選手はそれ以上だ。