• テキストサイズ

青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】

第12章 帰れって




福井ちゃんは、私の「は?」と言う返答を聞くと、更に表情を険しくした。


「『は?』じゃねーだろ!!何でこーなるまで黙ってたんだ!!」

「……」


こんなに怒った福井ちゃんは初めて見た。

一応考慮してか、そこまで強く叩かれたわけじゃないし痛くなかったはずなのに…じわじわと頬が痛みだす。


「……だって…黙ってなきゃ、福井ちゃんたちは…この人らを責めるじゃん」


私はポツリと呟いた。


「は?」

「私が色々言われてるって知ったら…福井ちゃんたちはこの人らに酷いこと言うじゃん!傷つけるじゃん!!」


痛み、と言うのは人それぞれ。

だけど、私が思う一番の痛みってのは、人からの言葉なんだと思ってるから。

その痛みを一番よく知ってるのは私だから。


「こんな奴らでも、福井ちゃんたちのこと応援してくれてんだし…応援してくれる人は多いに越したことはないじゃん。私が言えば、それを福井ちゃんたちは簡単に手放すじゃん」

「鈴佳…」

「こーなるって分かってたから……だから言いたくなかったんだよ」


浮かびそうになる涙を一生懸命に目の奥に押し込め、私は言った。

/ 463ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp