青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第12章 帰れって
この私がコイツらの目論みに気づかないワケもなく、アゴリラに「東棟二階」とだけメールを送っていたのだ。
でなければ、部活へ遅れることをわざわざアゴリラに言うはずもない。
まぁ…雅子ちゃんが来たのはちょっと予想外だったけど。
「枝尾。一応聞いておくが、これはれっきとした正当防衛なんだな?」
「当たり前じゃないですか。コイツが私を殴ろうとしたんで、咄嗟に足が出ちゃったんですよ」
「嘘つくなよ!!」
「はあ?どの口が言ってんの」
今この場に私が言ったことを証言する者なんて一人も居ない。
が、相手は雅子ちゃん。
それが真実だろうと虚実だろうと、雅子ちゃんはこの場に居る者の中では確実に私を取る。
と言っても、今回は事実なんだけど。
「監督!枝尾は…」
「おぉ、アゴリラ。アンタ遅すぎ……って、え?」
そこへ漸く私が直接連絡をしたアゴリラが到着。
だが、私はそのアゴリラの後ろに付いている四つの影に、目を見開いた。