青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第11章 うぉー?
「それ、聞いてどーすんの」
「え?」
紫原から返ってきた言葉に、私は目をパチクリとさせる。
「聞いたとこで何か変わんの?変わんないでしょ、藍ちんとさっちんが枝ちんよりも資質があるって事実はさ」
「……」
「聞いたって、また枝ちんが自分を追いつめることになるだけだし。聞くだけムダー」
あれ?私…紫原に説教され、てる…?
んな、まさか。
だって、ほら。
今も「あ、なくなっちたったー」とか言って、追加のお菓子を探ってるし、いつもの紫原じゃん。
ないないない。
「んー。でも、まぁ…一つ言えることはー…」
腕に下げたビニール袋から新たなお菓子を出しながら紫原は言った。
「あの二人はちゃんと笑ってたってことかなー。自分たちはやってないのに、俺たちがバスケしてんのをまるで自分たちもやってるみたいに。いつも笑ってた。んで、いつも俺たちのことを一番に考えてた」
そこが枝ちんとの大きな違い。と紫原は付け加える。
「そっか…」
なんか、まともって言うか。
当たり前のこと過ぎるな、なんて。
それも、自分たちが頂点に立ってる余裕から出てくるモノなんだろうけど。