青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第11章 うぉー?
そして、着々と順は進んでいき、ついに私と紫原の番に。
「劉ちんとか福ちんじゃなくてごめんねー?」
暗い雑木林の中に入ると同時に紫原が言った。
「何のこと?」
「ペアのこと。ホントは俺とは嫌なんでしょ?」
「別に。劉とか福井ちゃんの方が良かったってのは否定しないけど。この際誰がペアでもゴールできればどーだっていいよ」
「そっかぁ…」
なんだ。
そんなことを気にしていたのか、意外。
しかも、自分が嫌われているっていう自覚あったんだね。
「俺さーこんなんだし、中学の時とか…先輩にすっげぇ嫌われてたと思うんだ、多分。いい先輩も居たけど」
「へぇー」
「でも、陽泉に来てからはあんま気になんなくなったんだよー?」
「うちの部は上下関係緩いとこあるしね」
「うん、それもあるんだけどー」
暗い夜道。
ただ私たちの足音と紫原のお菓子を食べるボリボリっとした音だけが響く。
「枝ちん」
会話が途切れた、と思ったところで紫原はまた口を開く。