第6章 重なる想い
そして、すべての授業が終わった。
帰りの会も終わった。
帰りたくないな。
けど、帰んなきゃ。
「バイバイ」
私は飯田君に言った。
「バイバイ、よい夏休みを!」
そう返してくれたけど
あなたに会えない夏休みなんて
ちっともいい夏休みじゃないよ。
えーと樹里は…
なんかやってる。
「あ、まだちょっと帰れないから先帰ってていいよ!」
そう言われたけど、待つことにした。
まだ結構みんな教室に残っている。
あの2人もすぐそこにいる。
なんか話してる。
「帰りたくねー。」
飯田君が言っている。