第5章 縮まる距離
「あのね、飯田君が好きなの…」
樹里の反応は意外なものだった。
「わかってたよ。でも、あえて言わなかったんだ。
愛梨は私のこと気にして言わなかったんでしょ?」
「うん…」
全てわかっていたんだ…
「私のこと気にしなくていいからね。
これからは相談のるし、色々話してね!」
気持ちが軽くなった。
「ありがとう。で、樹里の好きな人は??」
「あててみて!」
「ん~」
考えているといつの間にか授業が始まる前になっていた。
「じゃあ、後でね」
音楽の授業が始まった。
「飯田君、はい!」
ノートを渡した。
「今日は見つけるから」
笑顔で受け取った。