第7章 スキということ。
月島side
事の始まりは、中学校生活が始まり一週間くらい経った頃のある昼休み。
山口とめぐみのふたりが僕の机を囲むようにして座りながら、昼飯を食べつつ色々と話していたときのこと。
「ねぇ、めぐみはなに部に入るの?やっぱりバレー部のマネージャー??」
山口がふと、めぐみに聞いた。
めぐみは、ついこの間まで僕と山口が所属していたバレーチームのマネージャーをしていた。3人とも中学に進み部活に入ることを考えて一斉にそこをやめた。
けど、幼い頃から慣れ親しんだバレー以外のスポーツを今更選択するのも違和感があった。
だから、男子バレー部に入ると、僕と山口は各々決めていた。
僕達が入れば、めぐみも当然入部するだろうと思っていた僕は、このときまで、特にめぐみに部活の話を振ってはいなかった。
「…マネージャーがやりたいなとは思ってるんだけどね、なに部にするかはまだ決めてないんだ。」
「…はっ?」
なに、言ってんの…?
「そっか…。もし良かったら、また3人一緒にって俺は思ってたんだけど。」
「それも楽しそうだけどさ。なんて言うかぁ〜…もっと、こー…交友関係を拡げねばと思ってさ。」
「そっか…」
僕の意思とは関係なく、山口とめぐみの会話は意外にもあっさりと終わり、その後はクラスの話や今朝観たテレビの占いの話と、ふたりの話題は次々と変わっていった。
ふたりの話を聞きながら、テキトーに相槌をしていた僕は、めぐみが僕と同じ部活を選択してなかったコトが、ずっと頭の片隅に引っかかっていた。
あー…なんかスゴいイライラする……
なんでだよ。
なにが、交友関係を拡げねばだ。
小学生の頃だって、ずっと一緒にいたクセに、今更なんだよ。
あー、もう…ナンダコレ。