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「別れ」(1)

第1章 別れ(1)



『もう大丈夫だよね?
私はずっと…あなたの心にいるから。
私を大事に思ってくれてありがとう。今度はあなたの番。
あなたに幸せが起こる事を、私は願っています』


その文面を読んだ瞬間…書かれてあった文面が、すぅっと砂のように消えていった。


目に映る真っ白な画面。
なんだか自然と笑みが零れてきた。


携帯を握ったままベッドに寝転がり、目を閉じて心の中であなたに話しかける。


なぁ……未来。最後に1つだけ言わせてよ。

これは悪戯とかって思わないよ。
だって彼女が彼氏にメールするのは当たり前だろ?

分かっている…このメールはお前からって。

時々辛くなって、お前と居た時間を毎日のように振り返ってしまって…戻りたいって何度も強く思っていた。
…でも違うんだな。
俺が踏み出す一歩…それはお前が用意してたんだ。
それに気づかなかった…俺を許してくれ。

俺絶対…絶対お前の分まで幸せになるから!!
…だからずっと見守っててくれよ?





次の日。
気付けば朝になっていた。


「そのまま寝ちゃったのか……」


んーっと伸び、大きく深呼吸をする。
ポリポリと頭を掻き…首を傾げる。


「あれ…昨日なんかあったような…。
んー…思い出せない。
…でもま、いいかっ」


両手で頬をパンッと叩き、気合いをいれる。


「よしっ!
今日1日……じゃなくて今日も1日頑張るぞーっ!」





心にあった小さな種は

小さな蕾になっていて。

そして小さな小さな…

花が咲いていた。




明日を生きる希望の花が

今、僕の心の中に。



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