第8章 しょぼくれ彼氏の慰め方【木兎光太郎】
赤葦くんにおいて行かれ、その後をチームメイトたちが追いかけ体育館には私と光ちゃんだけが残された。
「美咲」
「こ、光ちゃん…いつまでしょぼくれてるの?」
床に座り光ちゃんに向き合う。
「だって今日…全然全然決まんないし…」
「だからって皆に迷惑かけちゃダメでしょ?」
「しょーがないだろ?」
「しょうがなく無い。エースなんだから。光ちゃんは」
しょぼくれモードの光ちゃんは復活するまでが長い。
付き合う前から付き合わされてるからもう慣れたようなものなんだけど…
「光ちゃん…どうしたらご機嫌直してくれる?」
「ん~~…………」
目を閉じ、唇を尖らせる光ちゃん。
「ん~……ちゅ~」
キスを待つ光ちゃんはするまでその場を動かないし、私の腕を掴む手さえ離さない。
「はぁ……」
仕方ない。
ちゅっ___
彼の唇に触れるだけのキスをし、離れようとしたもの…
ぐいっと、腕を引かれ気づけば彼の身体にすっぽり。
「光ちゃん?」
「終わるの早い。もう一回」
「んっ……」
再び重なる唇はまた離れて、重なり続けやがて深いものへと変わっていった。