第1章 ・・・・・・どういうこと?
「しまった・・・」
レジでお会計を済ませた。
金額はまぁ・・・それなりになりまして
袋に入れたのだけど・・・。
かなりの重さだった。
これくらいなら大丈夫と予測して
買ったのだけれど予想外の重さだ。
「・・・・・・頑張れ、私」
大量に入った袋を持ち歩く。
気を緩んだらふらつきそうになるのを
全身の力を入れて耐えながら進む。
スーパーが家から近くてよかった。
歩く速度が遅くなるのは仕方ない。
腕が辛いけれど、持って帰らなきゃ
誰も持っていく人はいない。
「ふぅ・・・」
休憩したい。
どこか、荷物を置く場所は
ないだろうか。
「・・・・・・おい」
「・・・・・・え?」
突然声をかけられて振り向く。
カチリと体が固まった。
あぁ・・・まさかこんな早く会うなんて・・・
「・・・し、失礼しました」
「はっ?ちょ・・・おい!」
ガシッ!
腕を掴まれた。
早く逃げ出したい。
早く帰りたい。
「どーみても、その荷物
アンタには重過ぎだろ」
「・・・いえ、そんなことないですよ」
「分かりやすい嘘だな、おい
フラフラして歩いてるくせによ」
うるさい、灰色頭くん。
そう心の中で呟きつつ
視線を合わせないように俯く。
確か、高校時代の時の彼は
中学時代の時の灰色の髪から
黒髪になっていた。
けれど今また灰色に戻っている。
彼・・・そう、灰崎祥吾くん。
何故よりによって
マンガを読んでいた時
苦手なキャラと一番最初に
会ったのだろうか・・・
とことんついてない私だ。