第1章 ・・・・・・どういうこと?
「・・・・ここはどこ?」
おかしい、おかしい!
見知らぬ場所に、見知らぬ景色。
ここはどこなのか?
おかしい、絶対におかしい。
だって私は大学の入学式に行くために
玄関の扉を開けた。
その瞬間、突然眩しい光に包まれて
目を開ければ、今現在の場所。
呆然と立ち尽くす。
状況が理解できない。
人間は予測不可能な事が起きると
こうなるのかと、今実感する。
見慣れないフローリング。
あるはずの物がなくて
ないはずの物がある部屋。
こんな事あるのだろうか。
だって、そんな事・・・
考えても分からない。
答えなんて出るはずがない。
私は目を閉じて首を振る。
もう一度ゆっくり目を開けたけれど
見えたのは同じ景色。
これは夢なんかじゃないんだ。
今、実際に起こっている事・・・
私はどこに来ちゃったの?
立ち尽くしてるだけじゃダメだ。
とりあえず、部屋を見てみよう。
混乱してる場合じゃない。
何が起きているのか自分で
確かめなくちゃ。
ゆっくりと部屋の中を歩く。
見知らぬ場所だから当然家族もいない。
それは分かっていたけど・・・
少し、期待していた。
だけどやっぱりどこにも人の姿はない。
小さく息を吐く。
その時、ふとテーブルにある
大きな封筒が目に入った。
「なんだろう・・・」
恐る恐る、手にとってみる。
封筒には愛瀬 美鳳と名前が書いてある。
何で私の名前がが・・・
戸惑いつつ、封筒の中身を見た。
出して見てみると
何かのパンフレットだった。
「静華学園大学・・・」
私は目を見開く。
もしかして・・・
ポトリと、何かが落ちた。
手を伸ばして拾う学生証のようだ。
予感が当たっていた。
開けば私の写真が貼ってある。
あぁ・・・やっぱり・・・