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欲望レイン~藤ヶ谷編~

第3章 悪い噂くらいじゃ、淋しい男にもなれない


したたかに酔って家に帰ってきた
酔わないとマイコの事ばかり考える
服も脱がずにそのままベッドに倒れこんだ

今頃誰に抱かれてるの?
いや、一人で寝てるはずだ・・・・・・

自分で自分を抱きしめて嫉妬でおかしくなりそうな心と戦った
そのまま意識が遠のいて眠りに入りかけた時だった
ガチャっと鍵が開く音がした
一気に目が覚めて起き上がって寝室の入り口を祈るように見つめた

「太輔?」

マイコだった!!

「マイコ?どうしたの?こんな時間に」

両手を広げながら俺のほうに近づいて来た
俺はこたえるようにマイコを胸に抱きしめた

「どうした?」
鼻につく香りはいつもの香水じゃなかった
他の男と会ってた?
マイコはそのまま俺をベッドに押し倒した

「ん?どうした?何かあった?」

「ねぇ、抱いて」

都合のいい男?
からっぽのマイコを抱きしめてるようだった
心なんかない、からっぽのマイコを

「なぁ、なんでお前は愛してくれないの?真剣に誰も愛せないの?」

マイコは悲しい目をして見つめた
そんな顔するなよ?
そんな弱そうな目されたら嫌いになんかなれないよ
むしろ、一秒ごとに愛が深くなって行く
愛が深まるのと同時に胸の痛みも激しくなる
俺はこんなに愛してるのに、気が付いてよマイコ
俺は絶対に裏切らないから
体じゃなくて魂で求めてよ?マイコの心が愛しいんだよ
どうやったら俺だけのものになってくれるの?

なにも言わずに唇を重ねてくる
抗えなくてそのまま体を重ねていく
抱いてるのに胸が痛い
外は激しい雨音がしている
窓に打ち付ける雨粒が切なく衝動を煽る
マイコを抱いていても
結局、今日も俺は一人で
胸の痛みは深まっていく
それでも、腕の中のマイコを手放せない
嫌いになれたら楽なのに
悪い噂くらいじゃ、さびしい男にもなれない……
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