第1章 拒まれた欲望
車で家まで迎えに行って、途中で食材と酒を調達して帰ってきた
チーズやオリーブをテーブルに並べて
ワインを飲みながら洋画のDVDをセットする
ソファーに座り、スタンバイオッケー
「おいで」
隣に座っていたマイコを足の間に座らせた
恋愛映画は普段は見ないけど、マイコが好きだから少し退屈だけどマイコに後ろから抱きついて
頭の上に顎を乗せて我慢した
恋愛映画だから、やたらにキスシーンがある
110分も我慢してやっとエンドロールが流れ出した時
マイコの顎に手をやってこちらを向かせキスをした
そのまま床に押し倒したらすぐに唇を離した
「ん・・・太輔ダメ」
なにが?
両手で肩を押し返された
「なんで?」
「もう、行かないと」
「え?どこに?」
マイコはするりと俺の腕の中から抜け出て髪の乱れを直しながら答えた
「用事があるの」
「こんな時間から?」
「うん」
悪びれることもなくサラリと言い放つ
「どこに行くの?」
「ん?内緒」
と笑った
無理やりにでも引き止めて一晩中抱いていたかったのに
出来なかった