第13章 【ムリトカクゴ】
「……何か、ありました?」
思い切ってそう聞いてみる。
その私の問いに驚いた顔をして彼が身体を起こす。
「な、んで?」
「なんとなく……ムリしてそうで」
そう本を閉じて答えると、彼は黙って俯いて、それからニイッと教室で見せる笑顔になると、別に何にもないよん?そうおどけて言った。
それから私の肩に手を回し、おいで?そう彼が囁くから、赤くなる頬を隠すように俯いて、そっと彼の肩にもたれ掛かる。
「あ、なんか素直じゃん?」
そう言って後ろから私を包み込む彼の手が、私のスカートの中に延びる。
下着の上からそっと秘部を撫でられ、思わず身体がピクンと跳ねる。
終わってんじゃん?そう言う彼に、恥ずかしさから黙って頷いて精一杯の返事をした。
「終わったの、いつ?」
「え……?、4日前……?」
そう答えるとマジでー?と彼が頭を抱えてうなだれる。
その様子に驚いて彼を見ると、終わったんならちゃんと教えろよなー、そう言って英二くんはため息をついた。
「オレ、無駄に我慢してたじゃん!次からはちゃんと報告してよね、男には男の都合ってもんがあんだからさ!」
そう言って頬を膨らませる彼が可愛いのと、まだ当分は彼に必要とされそうなのが嬉しくて、思わず顔がほころんだ。
でも流石に恥ずかしくてムリなので、英二くんが察して?そう言って彼の胸に顔を埋めた。
「……小宮山こそなんかあった?」
そんな私を驚いてみる彼がそう問いかけるから、ちょっと考えて、はいと答える。
なになに?と興味津々といった様子の彼に、秘密です、そう言ってまた笑った。
ちぇーっと子供っぽく膨れる彼の手が私の頬にふれ、軽いキスを交わす。
何度か繰り返すそれは次第に深く舌を絡め合うものへと変わり、そしてお互いの体温を高めていく。
『小宮山こそなんかあった?』
それは私が覚悟を決めたこと。
愛されなくてもいい、報われなくてもいい。
ただ彼が許してくれるその間、私は彼の腕の中で踊り続けよう。
それが私の決めた愛の形なのだから___