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【テニプリ】闇菊【R18】

第74章 【ウチコメルモノ】




テニス……私が……?
でも……


「あ、あの、私、やったことないですし、それにローファーですから、テニスコートに入るのはダメじゃないですか……?」

「構わないよ、あとでしっかりコート整備すれば問題ないからね」

「でも、延長届けだしてないんですよね……?、それに私、部外者ですし……」

「そんなの、生徒会長と部長の権限で何とでもなるよ」


それって、思いっきり職権乱用なんじゃ……
内心、そう苦笑いする私に、いいっすね、やりましょうよ!、そう桃城くんが声をかける。


「思いっきりボールを打つとスッキリして、嫌なこと全部忘れられるっすよ!」


ボールを打つとスッキリって、テニスをしたことがない私が、ボールを打てるとでも……?
いえ、運動神経はいたって普通ですけれど……本当に普通ですけれど!!


逆にモヤモヤしそうな気もしながら、でも……なんて戸惑っていると、握り方はこうだよ、そう言って不二くんは私の手をとって、ギュッとラケットを握らせる。


「あ……」


握られた手に驚いて、それから顔を上げると不二くんの優しい笑顔がすぐ側にあって、相変わらず彼は本当にキレイな顔をしていて……
思わず見惚れてしまうと、穏やかに微笑んでいた彼が急に目を開けたから、パチッと間近で視線がぶつかり合った。


えっと……どうしよう……なんか、視線、逸らすタイミング、逃しちゃった……


「燃えるぜ、バーーーーーニング!!」


突然響いた、まるで絶叫のような声に驚いて振り返る。
そこにはラケットを振り回す河村くんがいて、普段の穏やかさとはまるで違うその様子に、あの、えっと、そう戸惑ってしまう。


「クスッ、驚かせちゃったね、彼、ラケットを握るとちょっと性格が激しくなるんだ」


ちょっと、どころじゃないんじゃ……?、なんてまだ戸惑う私に、不二先輩ー、小宮山先輩ー、早くやりましょうよー!、そう大きくラケットを振りながら桃城くんが声をかけた。

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