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【テニプリ】闇菊【R18】

第59章 【ドクセンヨク】




「今、ほんと、時間ないからさ、LINE、交換しとこうよ?あとで連絡するからさ」


もちろん、連絡なんかするつもり無いけれど、取り合えず連絡先交換しとけば、断っても割と簡単に引き下がってくれることが多い。


「えー、じゃあ、本当に今度遊ぼうね?」


案の定、この女もすぐに納得してくれて、お互いの連絡先を交換すると、じゃあねーっと嬉しそうに携帯を振りながら離れていくから、ほいほーい、と笑顔を作って携帯を振りかえした。






その女がいなくなると、ふーっと大きくためいきをついて、もう一度シンボルツリーの影に身を隠す。
不二に気づかれていないか確認すると、こちらの方など全く気にせず小宮山が来るのを待っている不二が見えて、よかった、バレてない、そうホッと胸をなで下ろす。
次の瞬間、ちょうどこちらに走ってくる小宮山が見えた。


「ごめんなさい、あの、お待たせして、しまいましたか……?」

「ううん、大丈夫だよ、僕も今来たところだから」


なんだよ、この幸せそうな会話、そう駆け寄ってきて息を整える小宮山を眺めながら、その腕を引いてかっさらいたい衝動をグッと堪える。


いやいや、邪魔したい訳じゃないし……
2人にばれるわけにもいかないし……


んじゃ、何のために来たんだよ……?、そう自問自答しながら、楽しそうに笑いあう2人の様子にまたため息が溢れた。


次の瞬間、不二の手が小宮山の髪にゆっくりとのびる。
ハッとして、不二のやつ何すんだよって思って、でも不思議そうな顔をしている小宮山と同じように、オレもその光景に身体が動かなくて……


ああ、小宮山、あの髪留め、してきてんだ……
だから不二、思わず手を伸ばして……


つうか、小宮山と不二って……
やっぱこうして見ると、すげー……お似合いだよな……


まるでそこだけ別空間のような2人に、見て、ほら、そう周りの視線も集まるのを感じた。

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