第55章 【オンナジ】チュウガクキ②
「ん……あっ、んふ……ふぅん……」
重ね合って舌を絡め合うキスは、それだけですげー刺激的で、すぐ耳元で聞こえるその女のアマいコエは一気にオレの理性をとばす。
嫌なのに、苦しいのに、やめらんなくて、止まんなくて……
初めて触れた女の身体は物凄く柔らかくて、スベスベしてて、もっちりしてて、無我夢中でその身体に貪りついた。
「あ、ハァ、英二くん、ちょっと待って……」
私、今日、危険なの、そう言って女はバッグに手を伸ばすと、その中から小さな袋を取り出して、付けてあげるね、そう言ってオレ自身にそれを装着する。
いいよ?、そう言って脚を開き秘部を捲るその女の様子に、ごくっと生唾を飲み込んで、その脚の間に身体を滑り込ませた。
「アン、ンッ、アアン、英二、くんっ、凄っ、激しすぎっ……!」
夢中でその女のナカを突き続けた。
ドクン、ドクン、そう大きく心臓の音が聞こえた。
そのくせ、すぐオレの下で乱れる女のコエはどこか遠くに感じて、それに重なるのは幼い頃の辛く苦しい日々の記憶。
振り払うように更に激しく腰を降り続けた。
「ハァ……、も、また、出るっ……!」
その女の奥を付いてもう一度吐き出した。
ハァ、ハァ、そう息があがってその女にもたれかかった。
英二くん、可愛い……そう言って下からオレを包み込む女の、キモチワルイ香水の香りに吐き気がした。
『いいのよ、英二はあたしの息子だもの、年頃になれば同じに決まってるわ』
あの女が乱れながら男に言ったあの言葉。
違う、オレはあの女と同じじゃない!そう何度も心の中で否定してた。
ちゃんとそのうち好きな子が出来たら普通に恋愛して、そんで大人になっていつか結婚して、菊丸家のような賑やかで幸せな家庭を作るんだって……漠然とだけどそんな夢を抱いていた。
だけど、現実なんてこんなもんじゃん……?
「はは……、やっぱ、オレ、あの女とおんなじじゃん……」
オレってば、いったいなにバカな夢、抱いてんだよ……
そして涙は乾いた笑いに変わった____