第55章 【オンナジ】チュウガクキ②
「勝手にジャンケンで決めちゃったよ?私の勝ち」
そう言ってブイサイン……じゃない、多分ジャンケンのチョキを作る女に、慌ててもう一度帰ることを告げたけれど、また腕を絡ませ身体を密着されるとドキドキして、気持ち悪いんだけど気持ちよくて、もう自分でも混乱してどうしたいのか分からない。
「ふふ、大丈夫、私に任せておけば。初めてだもん、みんなそうだよ?」
違う、みんなと同じじゃない。
「少しお話してリラックスしようか?部屋でなんか飲む?」
確かに緊張してるけど、決してそんだけじゃない。
「力抜いて?ゆっくり深呼吸しよ……?」
押し寄せる不安と恐怖に飲み込まれないよう、必死に大きく息を吸った。
あんなに帰ろうと思っていたのに、気が付いたら個室の大きなダブルベッドの上に女と2人で座っていた。
だ、だから、帰るってば、そう力なく言うんだけど、その女は甘ったるい匂いをプンプンさせながら、オレの上に覆い被さる。
「どっちにしても、このままじゃ、帰れないでしょ?」
そう言ってジーンズの上からゆっくりとオレ自身に触れられて、慌ててその手を振り払う。
確かにもうソレはすっかり反応していて、しかもジーンズなんて履いてるからすげーキツくて痛くて、そんなオレの気持ちなんかすっかり見透かしたように、その女はクスクスわらってオレのベルトに手をかけた。
「あ、あの、オレ……」
「大丈夫だってば。ふふ、すっきりさせてあげないと可哀想よ?」
そう言ってオレのジーンズを引き下ろした女は、あ、ボクサー派だ、そう下着の上からゆっくりと上下に撫でさする。
ジーンズの上よりはっきりと感じられるその手つきは、くすぐったいしもどかしいしで、やめて欲しいんだけど、やめて欲しくなくて……
「ここ、ちょっとシミになってるよ?」
そう言ってその女は、面白そうに下着に出来たシミの部分をツンッと指差し、それからグイッとその下着も引き下げた。