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【テニプリ】闇菊【R18】

第9章 【キクマルトエイジ】




それから英二くんは時々携帯を鳴らして私を呼びだした。
それはこの間の倉庫だったり、人気のない屋上だったり、図書室の本棚の陰だったり……
その都度、私は彼に従うしかなかった。


いつも誰かが来るかもしれないという緊張感に恐怖した。
英二くんはそれがいーんじゃん?と笑っていたけれど……


「小宮山ってほーんと、エロい身体してるよなー」


いつも事後の処理中に英二くんはそんなことを私に言う。
私はそれを無視して黙々と乱れた着衣を直す。


いつまでこんなことが続くのだろう?
いつになったら解放してくれるのだろう?


解放されたら楽になるだろうか?
この屈辱感や虚無感を感じずにすむだろうか?


いつからか、彼に何をされても私は抵抗する事をしなくなった。
ただ言われるがまま、彼の要求に応えた。


彼と身体を重ねる度に、愛のないその行為が私の心をひどく傷つけた。
それとは対照的に身体はより快楽を感じ、彼を求めていった。


それがまたどうしようもなく自尊心を傷つけた。


私はどうしてこんなことをされても彼を嫌いになれないのだろう?
いっそ嫌いになって憎めればいいのに。
憎しみだけの感情の方がずっと楽そうなのに。


それかいっそ私も割り切ってしまえばいい。
彼の恋愛観を受け入れてしまえば、逆に楽しめるのではないだろうか?
彼のボランティアとやらに乗っかって、その時だけの疑似恋愛を楽しめばいい。


どちらにしても、どうやったらそう気持ちを切り替えることが出きるのだろうか?


誰か教えてほしい……
なんでも良いから私を楽にしてほしい……


助けて……


彼が去った後、ひとり残された私はいつもそう涙を流した。

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