第43章 【シルシノイミ】
「え、英二くん……?あ、あの……」
オレの不意の行動に戸惑う小宮山に、少し痩せた?そう力を込めて抱きしめると、あの、はい、少し、夏バテ気味で……、そう小宮山は明らかに気まずそうに俯いた。
やっぱ、オレのせいで、まともに食べられなかったのに決まってるよな……
小宮山、嘘、下手くそ、そう言って頬にキスすると、違います、本当に……、って慌てて振り返るから、そのままキスしてすぐに舌を絡ませる。
すると小宮山は、んっ、と小さく甘い声を上げてオレの首に腕を回した。
「……『ちょっと待って?』とか、言わないの……?」
今までの小宮山の行動を考えたら、こんな時は必ず抵抗してきて、まあ、いつもそれは無駄な抵抗なんだけど、それでも必ず抵抗してきて……
そんなオレの質問に、小宮山は顔を真っ赤にしてオレの肩に顔を埋めると、それから黙って小さくクビを横に振る。
「だ、けど……、私、汗、かいてるから……」
「そんなのお互い様、オレ、気にしないよん」
そっと首筋に唇を寄せると、チュッと強く吸い付き、それからペロッと首筋を舐め上げる。
んっ、と小さく甘い声をあげた小宮山は、くすぐったそうに首をすくめて、それからオレのシャツをつかむ手に力を込めた。
ほんのり塩気を含んだその味も、夏だというのに真っ白な肌に久しぶりについたオレのしるしも、その口から漏れる甘い声も吐息も、全てがオレの気持ちを掻き立てる興奮剤として作用していく。
空港で小宮山を抱きしめていたときからずっと我慢してたから、もうこれ以上耐えらんなくて、小宮山をそのまま玄関先に押し倒すと乱暴に靴を脱ぎ捨てる。
「もう、限界、悪いけどここでするよん?」
小宮山のミュールを脱がせて脚をなで上げると、そのままスカートの中に手を滑り込ませた。