第38章 【サイカイノトキ】
バコン!!
私の涙がこぼれ落ちた瞬間、聞こえた衝撃音……
正面の壁に勢いよく何かがぶつかり、跳ね返って転がった感覚……
驚いて私の髪にかかる銀色のハサミを持つ手が躊躇する……
それと同時に聞こえてくるざわめきと、駆け寄ってくる足音……
「小宮山!!」
そう私を呼ぶ焦った声……
そして私の身体を包み込んだ懐かしい温もり……
耳元で聞こえる荒い息遣いと、肩にかかる心地よい重さ……
胸を焦がすヘアワックスの香りと、頬にかかる外ハネのくすぐったい感触……
求められて、拒んで、沢山求められて、沢山求めて……
大好きで、大好きで、大好きで……
そして拒まれて、嫌われて、苦しくて……
英二くんだ____