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【テニプリ】闇菊【R18】

第36章 【セイフクデート】




「いいんだよ、本当に小宮山さんとは良い友人で」


そうにこやかにオレを見下ろしながら笑うその不二の笑顔は、晴れ晴れとしていて、確かに心からそう思ってるって感じなんだけど、オレの気持ちはやっぱりスッキリしなくて……


「んじゃ、オレがまた小宮山とヤってもいいのかよ……?」

「構わないよ、前にも言ったけど、僕は英二と小宮山さんがうまくいけばいいと思っているからね」


本当かよー?そんな風に割り切れるもんー?
桃みたいなのはわかりやすいけど、小宮山のオレに対する気持ちも分からないでもないけど、不二のような気持ちは、全然、理解できねー……


やっぱ、オレ、人を好きになる気持ちなんて、一生、理解できそうにないや。
そう後頭部で腕を組んで、それからヤレヤレと苦笑いで首を横に振った。


「……LINE、さっきからずっと鳴ってるよ?」

「あー……わかってる」


通知窓で確認したメッセージは、オレと芽衣子ちゃんのことを知りたがる野次馬のやつらと、それから桃からの抗議文。
なんて返信していいか分からず、開くことすらまだしていない。


「不二にだってだいたい同じの、届いてんじゃん?」


同じグループなんだからさ、そう言って携帯をヒラヒラさせると、そう言えば、そうだね……そう言って不二も携帯を操作し始める。


次の瞬間、オレの携帯にLINEが届いたから、へ?って思ってメッセージを開くと、やっぱりそれは不二からで、立て続けに何通もベルが鳴る。


「『スイセン』『ドクゼリ』『トリカブト』……何これ?」

「クスッ、毒草」


そう言ってクスクスと黒い笑みを浮かべる不二に、ふ、ふーん……そう苦笑いして目をそらす。
やっぱ、小宮山のことで怒ってんじゃん……?、そう首をすくめながらオートテニス場へと向かう不二の背中を見送った。

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