第5章 【カウントダウン】

「じゃぁ、小宮山さんがやってよ？」

「あ、それでいーじゃん！掛け持ちＯＫなんだろ？」


はぁ……本当にこの人達は……
これでも学級委員って結構大変なんだけど……？


呆れる私に、小宮山さん、お願いー、そう多くの声がかけられる。


あー……もう、めんどくさいや。


わかりました、そう答えると、小さいため息を落とす。
みんなが、やったー！小宮山さん、ありがとう！なんて歓声を上げる。


……こんな時だけ小宮山さん小宮山さんってずるい人たち。


「……では女子は私がやります、男女一名ずつなので、男子からも誰かお願いします」


さっきまでの歓声の半分がまたしても苦情に変わる。
しょうがないじゃない、男女一名づつ計２名なんだから。
人数が多い分、負担が少ないの！


「誰かいませんか？いないならくじにしますよ？」


そう強引に決めようとしたその時、教室の隅で手がすっと挙げられた。


「ほいほーい！オレ、やるやる！なんだっけ？その体育祭口実委員？」


みんなの視線が菊丸くんに集中する。
教室中が一気に沸き立つ。
英二、マジでいってんの？とみんなが口々に声をかける。
私の心臓が一気に大きく脈を打つ。


……どう、して……？


菊丸くん、いつもこういうの面倒くさがってやらないじゃない……
なんでよりによって、一緒の委員に立候補するの……？


内心、どうしてよいからず、えっと……と口ごもった。