第5章 【カウントダウン】
「今日のLHRは体育祭の実行委員を選出したいと思います」
学級委員の私は、時折こうやって黒板の前に立ち、クラスのまとめ役になる。
学級委員なんてこんな地味で人望もない私には、はっきり言って向いていないんだけど……
それでもこんな見た目をしていて、成績もよいと言うことで、2年連続学級委員をしている。
……と言うか、押しつけられている。
「えー、めんどくさーい」
「なんだよ、それー、しらねーよ!」
そう口々にクラスメイトが文句を言う。
うん、そうだよね、実行委員なんて面倒だよね。
そんなこと私だってわかっている。
それでも決めないといけないの、誰かやってよ。
そう心の中で毒を吐く。
「体育祭実行委員とはその名の通り、体育祭開催の中心となり、その行事がスムーズに行えるように準備、進行に全力を尽くすという委員です」
そう冷静を装いながら説明する。
「んなこと聞いてねーよ!」
「つーか、しらねーって、そう言う意味じゃねーし!」
「誰かやれよー!」
それでも周りの文句は納まらない。
「この委員は今回よりさほど負担がないものになっています。委員会の掛け持ちでも大丈夫だそうです。誰かいませんか?自薦、他薦は問いません」
イライラする心を押し殺し、もう一度そう声をあげた。