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【テニプリ】闇菊【R18】

第21章 【カワッタコト】




あのセフレ解消の危機を乗り越え……と言うのも変な話なんだけど、とにかく私達は無事に元の鞘に収まり、以前と変わらない身体だけの関係を続けていた。


普段はお互い無関係のクラスメイトを装いながら学園生活を送り、英二くんがそんな気分になると、携帯に場所と時間を指定する簡単なメールが届き、そこに私がおもむいて彼と身体を重ねる。


そんな何も変わらない関係の中、明らかに変わったものは、英二くんの私に対する態度。
うまく言えないけれど、全体的に優しくなった。


以前は朝の挨拶以外は徹底的な無関係を貫かれていて、事務的な話をするときですら、笑顔の奥から「話しかけんなオーラ」をバシバシ浴びせられていたけれど、それがあの後はあまり感じられなくなった。


時にはクラスメイトの目を盗んで、教室でも目配せしてくれたりして、赤い顔を隠すのが大変なんだけど、目が合う度にドキドキして嬉しかった。


それから行為の後の行動が特に顕著で、以前は終わったら私に構わずさっさと何処かへ行ってしまっていたけれど、あの後はちゃんと私が服を着直すのを待っていてくれて、時にはキスしてくれたり抱きしめてくれたり、私に幸せの余韻を味わう時間を与えてくれるようになった。


そんな彼の行動の変化に戸惑いながらもやっぱり嬉しくて、でも気を遣われているようで寂しくもあって、それから、きっとはっきり「未来はない」と宣言したことで、私に勘違いされる心配がなくなったからかな?なんて自分を納得させた。

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