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【テニプリ】闇菊【R18】

第114章 【アノヒノヤクソク】




「・・・璃音、オレさ、璃音とソラにとって、誇れる人になれたかな?」


目を見開いて、ソラから英二くんへと視線を移す。
璃音、ここで言ったじゃん?、そう英二くんが静かに続ける。


「将来、どこかでオレの噂を聞いた時に、誇れる男になってほしいって・・・」


オレ、あの璃音の言葉をずっと支えにして生きてきたんだ・・・、そんな英二くんの言葉に涙が溢れる。
私に見ていてもらいたいからアイドルになった、そう再会したとき必死に拒む私に、強い口調で英二くんが訴えてくれた。


自分の都合を押し付けて消えた私の勝手な願いに、英二くんは精一杯応えたくれた。
誇れる、なんてもんじゃない・・・
アイドルとして頑張ってるだけじゃなく、あんなに苦しんでいた過去と向き合い、一生許せることはないと思っていた本当のお母さんと和解し、全てを乗り越えた・・・


こんな素晴らしい男性、世界中探したって、他にどこにもいない・・・


「ずっと誇りですよ、英二くんは、私の・・・私とソラの誇りです。最初から・・・」


最初から・・・あの雨の日の東屋でネコ丸を助けて抱きしてめいたあの時から・・・
自分の過去にもがき苦しみながらも、それでも精一杯生きている英二くんを、ずっと・・・


「璃音・・・幸せにするから、璃音とソラを今度こそ必ず・・・幸せにするから、だからずっとオレの傍にいて・・・?」
「・・・ずっと傍にいますよ、英二くんに『いらない』って言われるまで、ずっと・・・」


言わない、もう二度と・・・、ゆっくりと英二くんの顔が近づいてきて、ふわりと唇が重なり合う。
すぐに離れてもう一度・・・


溢れる涙を英二くんが指で拭ってくれる。
そっと英二くんの胸に頬をよせた。

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