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【テニプリ】闇菊【R18】

第105章 【ココロノササエ】




「・・・小宮山さん、さっき、僕が言ったことを気にしてるんだね、いいんだよ、無理しないで・・・」
「無理なんかしてません、私・・・無理なんか・・・」


はっきり言えない私に、不二くんが気を遣ってくれる。
違うんです、大きく首を振ってそれを否定する。


無理なんかしてない、私、本当に無理してこんなこと言ってるわけじゃ・・・
私は、ずっと私を支えてくれていた不二くんと、ちゃんと付き合いたいと思って・・・


「私、不二くんが・・・あの、好きなん___」
「小宮山さん・・・!」


好きなんです、そう言い終わらないうちに抱きしめられた身体・・・
普段の優しく包み込まれるものとは違う・・・


しっかりと、力強く・・・


「夢みたいだ・・・」


微かに聞こえた不二くんの震える声・・・
夢じゃありません、そう伝えたくてその身体を抱き締め返す。


そう、夢じゃない・・・
不二くんなら大切にしてくれる・・・


不二くんとなら、心穏やかに付き合っていける・・・


「私、不二くんが好きです・・・」
「ありがとう、小宮山さん___」


良かった、ちゃんと言えて・・・
不二くんが喜んでくれて、私もすごく嬉しい・・・


不二くんの腕の中に包まれると、本当に心が満たされた・・・












部屋に戻ると、携帯を取り出してLINEを開く。
画面をスクロールして、英二くんの大五郎をタップする。


そこには英二くんとの、たくさんの通信記録。
まだ幸せだった頃のメッセージをたんたんと眺める。


この頃はすごく幸せだった・・・
辛いことも沢山あったけど、その何倍も満たされていた・・・


英二くんのためなら、何だって出来た・・・
それが自分を犠牲にすることだって、何だって・・・


それでも、もう私には関係ない・・・
過去は、振り返らない・・・


必要なのは、不二くんとの未来だけ・・・




そう心は静かなまま、英二くんをプロック削除した___










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