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【テニプリ】闇菊【R18】

第103章 【ボクガシアワセニ】




ずっと小宮山さんを想っていた。
強く、儚い彼女を、ずっと・・・


彼女は英二を救ってくれる大切な人だから、自分の気持ちを心の奥底に閉じ込め、ふたりに協力してきた・・・


「英二がその気なら、僕はもう遠慮しない。」


小宮山さんは自分を犠牲にして、英二を守ろうと必死だったのに・・・
そんな彼女を傷つけ、自分が傷ついた気でいるなんて・・・


小宮山さんは、僕がこの手で幸せにする___









お昼休み、教室から廊下を歩く英二を見かけた。
ひとり・・・?、小宮山さんと弁当を食べる約束を聞いていたから、その様子を怪訝に思った。
市川さんは英二と小宮山さんを「いつものふたり」と言っていたけれど、僕にはそこに違和感を感じていたから・・・


「・・・英二!」


廊下に出て英二を呼び止めたけど、英二はそのまま歩き続けた。
たしかに一度足を止めたから、僕の声は届いていたはずなのに・・・


胸騒ぎがして英二の肩を掴んだ。
その瞬間、振り払われた手・・・
振り返った英二の目から感じられたのは強い怒り・・・
それは小宮山さんへと、それから僕に対しての・・・


「・・・小宮山さんは?」


英二の目を見た瞬間、英二が小宮山さんを傷つけたことに感ずいた。
小宮山さんに何をしたの?、問い詰める声が大きくなった。


だけど、英二は小宮山さんより噂を信じて疑わなくて・・・
言い合ううちに、僕の中で何かが弾けた。


僕はもう遠慮しない、そう英二に宣言すると、英二に背を向け走り出した。


小宮山さんの居場所なら、検討はついていた。
英二の濡れかけた髪や制服・・・
ただでさえ寒いこんな日に、ましてや雪まで降ってくる中、彼女は大丈夫だろうか・・・
そう心配しながら体育館裏へと全速力で走り抜ける。


「小宮山さん!」


いつも英二と小宮山さんがふたりきりで弁当を食べる茂みの中、座り込む彼女が見え慌てて駆け寄った。


「___っ!」


・・・駆け寄った瞬間、僕は彼女の惨状に言葉を失った。



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