第97章 【ラブアンドピース】
「そういや、小宮山、授業、出れそう?」
「あ、はい、だいぶ楽になりました」
「そっか、薬、効いてきたのかもね?」
「そうですね……それから、あの、英二くんのおまじないのおかげです……」
真っ赤な顔で俯きながら、小宮山がそう言ってくれる。
だから、小宮山、そういうこと言っちゃ、反則だって!
我慢出来ずに抱きしめたら、あ、お弁当!、そうバランスを崩した小宮山が弁当をひっくり返しそうになってて、慌ててゴメン!なんて謝る。
落ち着いてから、もう一度、小宮山を引き寄せる。
嬉しそうな顔をして頬を染めて、そっと瞳を閉じてくれる小宮山……
保健室のカーテンの中、遠くから響いてく校内のざわめき……
昼休みを思い思いに過ごす生徒達の声を遠くに聞きながら、小宮山と二人寄り添っていると、ゆっくりと時間が流れていくようで……
愛しくて、幸せで、ただひたすら、穏やかな日々を生きていく……
恋人から夫婦になって、とーちゃんとかーちゃんになって、いつか、じーちゃんとばーちゃんになっても……
小宮山と、ずっと二人で……
ずっと、ずっと……
ずっと、このまま____