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【テニプリ】闇菊【R18】

第93章 【ウワガキ】




「あ、あの、英二くん、もしお母さんがいたら……」


玄関の鍵を閉めるとすぐに、英二くんに後ろから抱きしめられる。
もしかしたら、そうされるかな?って思ってはいたけれど、実際にされると恥ずかしさが勝って、全然、心の準備が追いつかなくて……


今日は月曜日、学園祭の振替でお休みの私たちとは違い、もう仕事に行っているのは分かっていたけど、ついついそんな抵抗の声を上げてしまう。


「……小宮山のかーちゃん、いんの?」

「いえ、その……仕事、ですけど……」


だったら、なんも問題ないじゃん?、そう言われてしまうと、全くその通りで……
でも、あの、そう次の言葉を探していると、英二くんは私の唇をキスで塞いだ。


「……ひゃっ、英二くん、冷たっ……!」

「……小宮山は、すげー、あったかいよん……?」


キスはすぐに深いものに変わり、外気に触れてすっかり冷たくなった指が服の裾から侵入してくる。
いつの間にかコートは足元へと落ちていて、お姉さんからお借りした制服も乱されていて……


「あ、あの、英二くん、先に温まらないと……寒かったですよね?、私、暖かいお茶、淹れますから……」

「いんや、お茶より小宮山であったまる」

「ひゃっ!、だから、あの、私が冷たいん……ああっ!」


英二くんは私の抗議の声なんかお構い無しに、冷たい指を這わせてきて……
それはまるで、そんな私の反応を楽しんでいるようで……


「もう、英二くん、イジワルしないで下さい!」

「……だって、オレ、菊丸エイジワルだもんね」


頬をふくらませてみせた精一杯の抵抗に、英二くんは面白くないギャグを言い出したから、それ、他所では言わない方がいいですよ?って真剣にアドバイスしてみたら、うん、オレもそう思う、そう言って英二くんは苦笑いで私から視線を反らした。

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