第9章 傷つけてごめん
聖奈に別れを切り出した
聖奈が中島に心を引き戻されてるから
コンサートの誘いを断ったのは中島から聞いていた
最初から
聖奈は中島と一緒にならなければいけないって思ってたから。
それでも聖奈が好きで中島と別れたときに中島を好きでもいいから少しでも俺を見てほしくて。
「ふ…まッ…」
みるみるうちに聖奈の綺麗な瞳に涙が溜まる
「泣くなよッ……」
そんな聖奈を見て俺の目にも溜まる涙
好きで好きでどうしようもなくて
離れたくなくて
でも、少しでも俺に幸せを与えてくれたから
今度は君が幸せになる番だよ。
「ふ…ま、風磨…あたし…」
君の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちる
その涙を拭ってやることはできない。
「はやくッ…はやく行けよ…」
「ふまッ…あたし行けないよ…」
クズグズしないで。
そんなに俺の心を動かさないで。
「中島と幸せになれよ…。聖奈、もう終わりだよ…ッ」
お互い泣きながら言葉を繋いで最後の会話をして
「ふまッ…ごめんなさい…傷つけてごめんなさい」
違うよ聖奈
君を傷つけていたのは俺のほうだ
「じゃあな聖奈」
「ふまッ…」
聖奈が行かないから俺から去っていく
何度もごめんなさいって謝ってくる聖奈
聖奈が悪いわけじゃないのに。
ホントに
さよならだ