第9章 傷つけてごめん
今日は風磨といるのに何故だか頭に過るのは健人の顔
《せな、すきだよ。いなくならないで》
あのときの健人が忘れられなくて
前のあたしに戻ったみたいだった
あれからずっと苦しくて
大切な人をまた傷つけてしまった罪悪感
「聖奈!」
いきなり大声を出されて
びっくりしてはね上がる体
「びっくりしすぎ」
なんて笑う大声を出した張本人
「風磨……」
名前を呼ぶと
「どうした?」
心配そうに頭を撫でる風磨
首を横に振ると
「うそつき。」
「え…」
風磨の言葉に返すと
「聖奈、今すごい辛そうな顔してる。俺に頼ってよ」
絶対風磨には言えない。
健人のこと。
あたしは風磨を裏切りたくないの
「じゃあ、当ててあげる。中島のことでしょ?そして、俺を傷つけないように気を使ってる」
風磨には考えてることを当てられ
顔をあげると
「聖奈、別れよっか。」