第8章 離れそうな心取り戻すため
梨理を連れて近くの公園に来た。
「ねぇね!お砂場で遊ぼ!」
妹に手を引かれ砂場に行く
しゃがみこんで
「ねぇね、お団子!」
砂団子を作る梨理。
ねぇね、ねぇね って寄ってくる妹は正直可愛い。
前はよく一緒に遊んでたっけ。
去年なんかは健人とあたしと梨理三人で砂場でお城作ったりとかしてたな。
よく健人と散歩にきたこの公園
健人に告白されたこの公園
健人に別れを告げたこの公園
この公園には健人との思い出がいっぱい詰まってる。
健人………
「会いたいよ…」
無意識に発した言葉
自分でも驚いていると
膝に顔を埋めると
涙が溢れてきて
「ねぇね?」
梨理が顔を覗き込む。
梨理が不安がるからちゃんとしなきゃ
涙を拭いて顔を上げる
「ねぇね、りりとあそぶのいやだったの?ごめんなさい」
ふぇーん と泣き出してしまった梨理
「梨理違うの。泣かないで?ねぇねはりりのこと大好きなの」
ごめん
ねぇねがしっかりしなきゃなのに。
あたしの目にも涙がたまっていて
ボロボロと溢れ出す涙
「聖奈、梨理?」