第6章 rouge
家の前で聖奈の部屋に電気がついているのに気づいた。
窓も開いてるし、カーテンも開いてる。
話すチャンスだと思い
家に入り階段をかけ上がる
急いで窓を開ける
窓の向こうに沈む二人が見えた。
また嫌なもん見ちゃったな。
「聖奈。好きだよ。」
俺の声は静かな夜空に
隣から聞こえる嫌な声に消される。
窓を閉めて机に飾ってある聖奈と撮った写真を手に取り見つめる
聖奈との思い出が頭ん中を駆け巡る。
俺の小学校の入学式
学年が一個下の聖奈は学校に行けないのに《けんとと行くのー》なんて泣いてたっけ。
そして、その一年後は一緒に手繋いで行ってたっけ。
中学の入学式はさすがに泣かなかったけど、涙堪えてたな。んで聖奈が、中学に上がってニッケしてチャリで登校してたな。
聖奈が女子から僻まれてイジメ受けてたこともあったな。あのときは聖奈が一人で泣いてるところを発見して
俺がイジメた奴らに言ったらイジメなくなったんだっけ?
そして、そのとき聖奈に告白して付き合い初めた。
高校は俺が堀越の芸能科行ったから、離れたんだっけ。
あのときも泣いてたな。
泣かしてばっかじゃん俺
この写真は確か去年の記念日に撮った写真か。
記念日は毎年二人でお祝いしてケーキ食べたりプレゼントあげたり。毎年写真撮ったな
《これから先もずっと一緒にお祝いしようね!健人の隣はあたしの特等席だね》
《当たり前だろ》
《他の子隣にしたらダメだよ》
《せな以外誰も座らせねーよ?せな以外無理だし。離れんなよ?》
《離れないよ。ずっと》
聖奈の嘘吐き
離れないって言ってたじゃん
ずっと一緒って
涙が流れる
他の男隣に座らせてんじゃん
ばか