第5章 自業自得
白澤さんとの初デートから4日。
あれから白澤さんの中で少し吹っ切れたらしく、ここ最近スキンシップが激しい。
が、ハグやキスは中々ハードルが高いらしくあの日以来やってこない。
とはいえ暇さえあれば身体に触れ、隣に並べば手を繋ごうとしてくる。
手を繋ぐ姿はカップルというよりも母親とお母さんに話を聞いてもらいたくてたまらない子供のようだと桃太郎くんに言われた。
今日はそんな絶賛甘えん坊の白澤さんと閻魔庁へ薬を届けに来ていた。この廊下を歩けばもうすぐ閻魔様と鬼灯さまのいる広間へつく。
のはいいが。
「なんかさっきから私達見られてません?」
「そーお?さゆちゃんがかわいいからだよ〜それよりもせっかく2人で歩いてるんだから手ぇ繋ごう?」
「嫌です。地獄の門をくぐる前までって約束したじゃないですか。」
「え〜〜〜〜」
ただをこねる白澤さんは置いておくとしてどうもおかしい。みんながみんな、なんだか近所の噂好きなおばさんのような目で見てくる。
まさか…
「それはあなたの横にいるバカがあなたとの初デートの事を事細かに自慢して回っていたからでしょうね。」
「はぁっ?!」
鬼灯さまに受け取りのサインを貰いがてら聞いてみると弱冠予想していた答えが返ってきた。
付き合いたての頃も似たような視線を感じた事はあったからまさかとは思ったけどやっぱりお前か!!!
キッ!と横にいるバカを見るとサッと顔を逸らされた。
「無事、初デート楽しめたようで。お二人でのファーストキスおめでとうございます。」
「そこまで話したんですか??!!」
「いやー………?」
「まぁいいじゃないですか。お付き合いしてるんですから当然の事でしょうし。」
「全然良くないです!!!!どこ行ってもみんなの視線が「あぁ、キスしたのね、お熱いわね(笑)」って言ってくるんですよ?!!あああもうやだ恥ずかしい…!!!信じらんない!!!!」
「さゆちゃん…?ご、ごめんね…?嬉しくってつい…」
恥ずかしくて顔を両手で隠していると白澤さんがオロオロと謝ってくる。
その姿が少しかわいいと思ってしまったが今はそれどころじゃない。
簡単に許すものか…!
「白澤さん……1週間、私に触るの禁止します。」
「えっ?!」