第11章 再会
「おいしかったです。ごちそうさまでした。」
「いえいえ。また遊びに来てね。研磨君もね。」
どっさりと夜食の入った紙袋を渡されて、三人は黒尾の家を出た。
「ったく、どうするよこれ。明日の朝にでも食べるか。」
「そうですね。」
黒尾が袋の中を覗き込んでげんなりするが、凪沙は楽しそうだ。
「ご機嫌だな。」
「ごはんほんとにおいしかったですし、おばさん楽しい人でいいですね。」
「そうか?めんどくさかっただろ。」
「クロはおばさん似だよね。」
「え!そうかな!?研磨まだ怒ってる!?」
二人のやり取りを見て、凪沙は声を出して笑った。
(元気そうで良かった。夜久にもあとで連絡しとこ。)
黒尾は彼女の笑顔を見ながらそう思った。