第2章 1日目
『………』
ピトッ
『きゃっ!?冷たっ…。』
緑「ミルクティーでよかったか?」
『…………。』
緑「飲まないのか?」
『え?いや…どーしてあたしがミルクティー好きなの知ってたのかなぁって。』
緑「練習後毎日のように飲んでただろう?」
『あ、あたしそんなに毎日飲んでた?』
緑「飲んでたのだよ。」
『そっかw……………。』
緑「…………なぁ、なんかあったのか?」
『えっ!?どーしたの急に。』
緑「今日は特に無理して笑ってたのだよ。」
『そ、そんなことないよ……。』
緑「オレには話せない内容なのか?」
『え?』
緑「一人でしょい込んだって辛いだけだろう。そういう時こそ頼ってくれよ。」
『でも、なんか利用してるみたいで…』
緑「お前になら利用されてもいい。」
『…真。』
緑「あんまり見るな!て、照れるだろうw」
『ふふ。耳まで真っ赤w…………じゃあ、聞いてもらってもいいですか?』
緑「もちろんなのだよ。」
『…………実はね、祖父が倒れちゃって…。前から連絡はあったんだけどなかなかこっちに帰ってこれなくて。』
緑「はるか一人暮らしだったな。」
『うん。今日勉強の最初のほういなかったでしょ?祖父に会いに行ってたの。…うちさ、こんな旅館やってるじゃん?母も父も忙しくてずっと一人だったの。けどね、祖父がね、毎日遊びに来てくれたの。暇な時はずーっと一緒にいた。……だからさ、ちょっと辛いだけ。』
緑「はるか…。」
『ごめんね!みんな楽しんでるのになんか一人だけ辛気臭くて。もう大丈夫だか……』
ギュッ
『…し…ん?』
緑「強がるなよ。」
『えっ?』
緑「お前はいつもそーなのだよ!一人で抱え込んで無理して笑って。もう見てられないのだよ!」
『……真。』
緑「少しくらい肩の力抜いたっていいだろ?お前は一人じゃないのだよ。」
『………。』
ギュッ
緑「はるか…」
『ちょっとだけ…』
緑「え?」
『ちょっと…だけ、このままでいさせて。』
緑「……あぁ。」
ギュッ