第8章 【第七章】残酷な伝令
「大変です!ただいま城下町にて、海常領主、黄瀬涼太を拘束しました!!」
突然、隊長室のドアが開けられ、兵士が入ってきた。
「え?!ナ、ナニ?!キセキの黄瀬涼太を…捕まえたぁ?!?!」
黒子と火神も、突然の状況に呆気にとられていた。
「だぁーーかぁーーらぁーー、俺は、黒子っちを探しにきたんっスよぉー………」
黄瀬は腕を縛れ、あぐらを掻いて座っていた。
そこにリコと火神と黒子が走ってやってきた。
「く…黒子っちぃぃーーーー!!!やっぱり、生きてたんっスね!良かった!良かったっス!!!」
涙目で黒子を見上げる黄瀬に、リコと火神は、驚く。
『『 こ、コイツが、キセキの領主?! 』』
「黄瀬くん、どうしてここに?」
「桃っちっす。…オレが領地に戻って三日後、桃っちが来たんスけど…」
黄瀬は辛そうに顔を歪ませ、下を向く。
「……泣き腫らした顔で…黒子っちに起きたことと、………美桜っちが幽閉されたことを聞いたんス…。でも、……亡骸がないから、黒子っちは必ず何処かにいるって。で、オレ、領地の中探し回ってたら、出航した船の乗船記録に黒子っちの名前見つけて…。」
「そうでしたか…。………すみません、黄瀬くん。僕の力が及ばず……姫を守れず……。」
黄瀬はゆっくり黒子の顔を見上げ、微笑んだ。
「いいんスよ!!…生きていてくれて、無事でいてくれて、良かったっス。桃っちも喜ぶっス。」
黄瀬は嬉しそうに何度も頭を縦にふった。
「おい、お前。本当にキセキの領主なのか?」
火神が頭を掻きながら、座ってる黄瀬を見た。
「…そのキセキって呼ばれ方は、あまり好きじゃないんスけど………そうっス。オレは、帝光大国領主の一人、海常、黄瀬涼太っス。」
火神を見上げ、不適に笑う黄瀬。
「…ねぇ、黄瀬涼太くん。貴方は、黒子くんを探しにきただけ?」
リコはしゃがみ、黄瀬に聞く。
「そうっス!だから、何度も言ったじゃないっスかぁ!」
黄瀬は、だだっ子のようにふて腐れた態度をとった。
「で、お前、黒子を見つけてどうしたいんだ?」
「黒子っちをオレの領地へ迎い入れるんス。」
リコ、火神、黒子が、口を揃えたのだった。
「「「 え? 」」」