第5章 【第四章】君を助ける為に…
「自害してもいいよ?」
「なっ!?っ美桜!駄目だからね!絶対駄目なんだから!!」
桃井は無茶苦茶に暴れだし、美桜を止めようとするが、総一に腕を捕まれ強引に檻の戸へ押さえつけられた。
「どうする?」
全身が震えている。
力がはいらない。
でも、
『約束してください。生きて』
風に揺れる水色の髪の毛、優しい瞳をもつ貴方と約束した。
「死なない。私は死ねないわ。」
美桜は一欠片の勇気を胸に、総一を見上げる。
「さつきを離して。」
投げ入れられたナイフ持ち、総一へ向けるが、美桜と総一との間には、鉄格子と桃井がいる。
とても当てることは出来ない。
しかし、何かチャンスがあるかもと、ゆっくり立ち上がり檻の戸へ近づくが、
「姫の髪は綺麗だな。…死んだ私の妻と同じ色だ。きっと手触りも同じだろ…?」
陶酔した総一に嫌悪を感じ、後ずさる。
「綺麗だよ。」
その瞬間、美桜はナイフで自分の髪の毛を切った。