第2章 アリスと白うさぎ*縁下力
「フフーフフーン…」
部活が終わり華楓は制服に着替えていた。
「明日収録…だったっけ?」
一緒に更衣室にいた谷地さんが華楓に話しかけた。
「うん。明日部活行けないから潔子さんのサポートよろしくね!」
「オッス!」
2人はポスターについて部活が終わってから相談をしていたため、潔子さんはもう帰宅しており学校内にも生徒はもうほとんどいない。
「んじゃあ私先生のところ行ってくるから」
谷地さんはそういうと華楓より先に更衣室から出ていった。
「うん!よろしくね!」
華楓も谷地さんの少しあとに更衣室から出て帰ろうとしていた。
校門の方を向かうと人影があることに気づいた。
「…縁下さん?」
「あ、華楓ちゃん」
門には縁下が1人立っていた。部活が終わってからそこそこ時間が経っていたの華楓は縁下がいることに疑問を感じた。
「何してるんですか?」
「あ、えーっと…その…」
縁下は何と言っていいか分からず焦っていた。
「…帰るの1人?」
小さい声でボソッと華楓に言った。その問に華楓はまた疑問に思いつつも答えた。
「?…まぁ1人ですけど…」
「…っとその…女子1人で帰ると危ないから…なんというか……一緒に帰らない?」
最初は言いたいことが纏まらなかった縁下だったが、#NAME1と帰りたいことを告げた。
「あ、でもやっちゃんが…」
縁下は谷地さんの名前を聞いて一瞬焦った。2人で帰る作戦を計画してくれたのは谷地さんだったからだ。
そうだよね…谷地さん置いていくみたいな感じにはしたくないしな…
1人で悩んでいた縁下だったが、そのとき華楓の携帯にメールが来た。
「やっちゃんからだ…何か長引くらしいんで先に帰ってていいよって言ってます」
内心落ち着いた縁下に華楓言った。
「…じゃあ…帰ります…か?」
「…うん」
緊張気味の縁下がそう答えると2人は学校を後にした。
その様子を影から見ていた谷地さんは
「縁下さん…頑張ってください!」
校舎の影から2人の様子を見守っていた。