第11章 届かぬ手紙 *番外編*
「ふぅ……」
アタシは伝えたかった事を、全部詰め込んだ手紙を一気に書いて、ペンを机の上に置いた。
腕を伸ばしながら天井を見る。そこにはいつもと同じ暗さがあった。
暇で暇で、やることが無くて、思い付いたから手紙を書いてみたけど……色々思い出しながら書いたせいか、脳裏に君の笑顔が浮かんできた。
今ではもう、『つらい』とか『外に出たい』とかの感情は無くなってしまった。
そんなアタシに残っている、たった一つの願いは――。
一度だけでも君に――。
「……会いたいよ……。イヴ」
*番外編『届かぬ手紙』End*