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 『さよなら』の先に  【Ib】

第11章  届かぬ手紙  *番外編*


 つまり、ここで出会った仲間のうち一人はここに残らなくてはならない。そしてもしメアリーが外に出られたら、メアリーは本物の人になれるの。

 メアリーがもしこの事を知っているなら、君と一緒に居るのは危ない。

 アタシは一刻も早く合流するために急いで絵の具玉を探した。
 そして、アタシの意識はとある部屋の中でプツンと途切れた。


 意識が戻ったアタシに訪れたのは、涙目でアタシに抱き付いてくる君の姿と、左の頬の痛みだった。
 あの時は心配かけちゃったよね。ごめんね。

 混乱していたらしく、アタシは二人と別れてからの記憶があまり無かった。
 メアリーは無理して思い出さなくてもいいって言った。アタシもそれでいいって思った。

 でも、アタシの記憶は、あることがきっかけですぐに戻ったの。
 拾ったメアリーの薔薇が造花だって分かったとたん、忘れていた記憶が一気によみがえってきたの。
 アタシは薔薇を取り返そうとしたメアリーを突飛ばして、メアリーを気絶させた。そして君にメアリーの真実を伝えた。
 メアリーととても仲の良かった君は、ひどくショックを受けていたね。でも、きちんと伝えなくちゃいけなかったんだ。君を悲しませるようなことはしたくなかったんだけど……ごめん。

 落ち込んでいる君を慰めながら、アタシ達は先に進んだ。
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