第7章 サバゲーをしよう
〜三回戦 松岡・立花VS雪村・武田〜
雪村とおんなじチームになったのだが、雪村は口を開かずじっと構えていた。
沈黙に若干の気まずさを感じつつ武田は二回戦目での疑問をぶつけた。
「ねぇ、雪村さん…。二回戦目、どうして私を撃たなかったの?」
武田の言葉にぴくりと反応した雪村が前を見たままぼそりと呟いた。
「…れっちだったから…。」
武田はキョトンとした。
「え、でも一回戦目では当ててたよね?」
そう、一回戦目では雪村は武田を撃っていたのだ。見事それがヒットし、武田は負けたのを思い出す。
「あれは遠かったから…。でも二回戦目、れっちは俺の目の前に現れた…。」
相変わらず前を見据えたまま雪村は続ける。
「…まっつんなら撃ってたんだけどさ…。
あの距離で撃ったられっちに痣作っちゃうと思ったから……撃てなかった…。」
予想外の言葉に武田は言葉が出なかった。
雪村さんはあの状況でそんな心配をしてくれていたのか…と考えていると
「……ねぇ。」
突然雪村は武田のほうをまっすぐ見つめた。